月の雫

お腹もいっぱい、お風呂も終えて



部屋に戻ると、みんな一列に布団がしかれていて



天井を見上げたら大きな蜘蛛が・・・



家中開けっ放しで吹き抜ける風は心地いいけど



あの大きな蜘蛛が気になり、どこでもすぐに寝れる私が



眠りずらかった＾＾；





久高島は、小さな生き物たちも巨大化しているのかと



思ったくらい大きな蜘蛛で・・・



それでも段々眠くなってきたとき、母たちの話し声が



聞こえてきた



おばあちゃんに、私の話をしているようだった



父方の本家のおばあちゃんに



この子は、挨拶もできるし、しっかりしているから



頭も悪くないから無理していろいろ教えなくていい・・・と



言われたらしく、母はそれを素直に受け入れ



姉や兄と違って、私は幼い頃は自由奔放に好きなように



毎日過ごしていたので、小学校に上がっても



数字の8の字もきれいに書けず



自分の名前すら書けない状態だった




でも久高のおばあちゃんが



母に勉強はやろうと思えばいつでもできる



本人次第だから、気にし過ぎず



心を鍛え、心を強くして



まっすぐ自分の道を歩める子にしたらいいよ



3人とも、みんな上等



光るものがあるから、安心しなさいと



話していた




私は、夢心地できいていたので



母から聞かされた時は、おばあちゃんの言葉が



嬉しかった




島を離れる日の朝



おばあちゃんが私に近寄り



いつも笑っていなさい



笑うと、力が湧いてくる



笑っていると風が吹いてくる



お腹の中から笑いなさい



笑えることは、力があることだからねと





その言葉は、宝物になっている



もっといろんな話を聞きたかったし



ばあちゃんたちの手を握って、おしゃべりしたり



背中をもんだり、いっぱい笑いたかった



いろんなことを習いたかった





でもいつも、心の中で



私のスピリットの中にじいちゃん、ばあちゃんの



祈りと黄金言葉と、愛あふれる想いでが



つまっている





父方の祖父は久高島


父方の祖母は与那国


母方の祖父は首里


母方の祖母は瀬底




島の自然と島の祈りと大きな懐に抱かれた



スピリットをしっかり継承していけるように



自分自身を磨いて、自分をいたわり



自分の道をまっすぐに



そしてお腹の底からいつも笑っていられるように



今日を今を、大切に楽しく刻んでいきたい